コロナ後の安全教育
(一般社団法人東京環境保全協会「東環保」181号、令和6年1月4日発行から)

1 研修実施状況

● 初任研修
 新規従事者を対象とし、原則月1回、平日に実施する研修です。
 新型コロナウイルスの感染者数が減少する状況を受けて、受講者数が増加し、11月までの受講者数は305人となりました。
 また、毎年実施している短期従事者向けの初任研修(日曜日開催)を7月に実施し、25人が受講しました。
 一方、コロナ禍での人手不足が影響して、初任研修受講時の代替要員確保が困難だったこともあり、初任研修未受講者が増加しています。このため、10月から出張研修とビデオ研修を組み合わせた初任研修特例措置を実施し、早期の未受講者解消を目指していきます。


更新研修
 初任研修及び更新研修を受講後3年以内の方を対象に、直近の事故やクレームの事例をもとに、運転及び作業上の注意点などの再確認を目的として、会員各社で業務終了後に実施しています。
 今年度は、20社が対象となっており、計画的に実施している状況です。
 また、初任研修と同様に、毎年実施している短期従事者向けの更新研修(日曜日開催)を10月に実施し、77人が受講しました。

専門研修

 今年度は、昨年度会員各社で発生したトラブル事例をまとめたトラブル事例集を使って、実際にトラブルが発生した場合の対応策及びトラブルを未然に防ぐための対応策について、各社の管理職等を対象に7月に2回実施しました。
 今回の研修では、演習問題のいくつかの問いに受講者が解答することで、自らの対応能力を確認することができたのではないかと考えています。
 今後も、このような参加型の研修を実施していきます。
管理監督者研修
 今年度は、運行管理者の実務に関する研修を計画しています。特に、貨物自動車運送事業者として実施すべき業務等を中心に実施する予定で、実施時期及び内容について、今後検討していきます。
● 経営者研修
 今年度は、東京環境保全協会の経営セミナーが開催されるということで、経営者研修を10月に実施しました。
 今回は、7月に専門研修で実施した「トラブル事例研究」をテーマに、実際にあったトラブル事例を題材に、刻々と変化する状況に適切な判断を下し、どのように対応するかについて、各社の経営者に考えてもらうという参加型の研修として実施しました。

交通事故防止特別研修
 東京環境保全協会安全推進員会と連携し、事故惹起者に対する再発防止を目的とした特別研修です。
 この研修では、性格診断による運転傾向を知ってもらうとともに、実際の事故映像を見ながら交通事故が発生しやすい状況を再確認し、安全運転を徹底するよう指導しています。
 今年度前期は5月、後期は11月に実施しました。
社内研修支援事業
 今年度は、すでに4年前の実施状況に戻り、会員各社から積極的に申し込みがきています。実施内容の多くは、交通事故・作業事故防止で、直近に発生した事故事例をもとに、ドライブレコーダーの映像を使って研修を実施しています。
 実際に映像を視聴した受講者は、自分なら事故を防げたかについて考える機会となったとの意見があり、今後も事故映像などを使いながら、交通事故防止対策を徹底していきます。

2 今後の検討課題

 研修センターでは、今後予想されるさらなる人手不足に対応するため、新たな研修方法について検討しています。
 具体的には、ビデオ研修やオンラインによる研修の有効性についてです。
 今年度、AI自動音声ソフト(AIアナウンサーなどで使用)を活用して試験的にいくつかのビデオ教材を作成し、提供を開始しました。
 今後は、受講者及び会員会社の負担軽減のため、ビデオ研修等を活用した効果的な研修の実施方法について検討を進めていきます。

区民との信頼構築にむけて
(一般社団法人東京環境保全協会「東環保」180号、令和5年8月1日発行から)

令和5年度の研修実施方針

 東環保研修センターは今年で設立10年目を迎え、事業計画も10期目となりました。
 東京二十三区の清掃事業を担う重責を、これまで以上に従事者一人ひとりが自覚し、区からの期待に応えられるよう、努力していかなければなりません。

令和5年度研修計画

● 初任研修
 新規従事者を対象とした実務的な研修です。
 非行防止・安全運転・安全作業・区民対応など、公共事業に従事する上で基本的かつ重要な内容となっています。
 今年度も、年間11回の実施を予定しています。
 また、非会員については、別途日曜日に数回実施する予定です。
更新研修 
 初任研修及び更新研修を受講して3年以内の者を対象に、作業上の注意点などの再確認を目的とした研修です。事故事例やクレーム事例を分析するなど、より実践的な内容で行います。
 今年度は、会員20社を予定しています。
専門研修
 会員各社の課題解決に資するテーマを選定し、より実務的な研修を実施しています。 
 今年度は、昨年度作成したトラブル事例集をもとに、具体的な対応方法や防止策について、運行管理者を含む管理職層を対象とした研修を実施します。
管理監督者研修
 管理監督者を対象に、各社における清掃事業従事者への指導能力や、管理監督者としての資質向上のための研修です。
 昨年度に引き続き、今年度も「安全運転管理に関する事業者としての責務」について、運行管理者を主な対象者として、グループ討議など参加型の研修を実施する予定です。
● 経営者研修
 人材育成・労働問題など、経営者としてのスキルアップを目的とした研修です。
 今年度のテーマはまだ未定ですが、実効性のある内容で実施したいと考えています。
交通事故防止特別研修
 東京環境保全協会安全推進委員会と連携し、事故惹起者に対する再発防止を目的とした特別研修を実施しています。
 本研修では、自分の運転の傾向や自分自身に潜む危険を認識し、さらには安全運転の心構え等について学ぶことができます。
 今年度は第1回を5月19日に実施しました。第2回は秋に実施する予定です。
社内研修支援事業
 今年度、会員各社から提出された研修実施計画書によると、独自に社内研修を実施する予定の会社が大変増えています。
 これは、各社それぞれが従業員に対し、積極的な指導に取り組んでいることの現れとも言えるでしょう。

 研修センターでは、引き続き事故や不祥事を起こさないことが基本の「キ」であることを一人ひとりが認識し、区民の満足度を高めるために私たちができることは何か、自ら考えることができるような研修を実施していきたいと思います。

令和4年度後期の主な研修実績

● 人権啓発研修
 1月26日、企業におけるハラスメントの実態や対応策などについて、外部の専門講師を招いて実施しました。
● 経営者研修
 3月17日には「安全運転管理に関する事業者としての責務」について、外部講師を招き経営者向けの講演会を実施しました。
 「安全運転管理」は私たち事業者にとって根幹とも言えるものです。



 それぞれが自らの責務と役割を理解した上で従業員への指導・監督に取り組むことが必要です。
 そこで、本研修はすべての経営者と現場を預かる管理者に対して受講を義務付けました。
 今後も、業界一丸となって「安全運転管理」の強化を図っていくために、より効果的な研修を実施していきます。